厨子のこと②

(前回の続き)
ギャラリー厨子屋さんは「現代の生活における祈りのかたち」を提案しています。
本社は伝統仏壇の老舗です。そして別の事業として「厨子屋」を掲げました。
「現代仏壇」は耳にしたことはありましたが、「厨子」という言葉の響きは、私にはなんとなく新鮮でした。

「厨子」とカテゴライズすることで、作家やデザイナーは各々の思想を作品にうまくぶつけられるのだと思います。
なぜなら「仏壇」とは、宗教上の制約が多いもので、宗派によってその様式というものは決まっているからです。
仏壇である以上、自由勝手にアレンジして作って良いものでは無い・・・。
イコンも同様であることを最近知りました。制作者の名前は公開されず、無名性のものだといいます。
宗教に関わる物事は共通する要素があるものですね。
先方とのかかわりの中で、本当に様々なことを学ぶことができました。

例えば会津や静岡の仏壇は唐木つくりと言われるものが一般です。
それは内部装飾に箔や螺鈿などをほとんど使用せず、外装も白木地のまま。
北陸や私の出身である関西の黒塗りで金箔の仏壇と比べ、それは素朴な意匠です。
はじめて本社見学の折、その伝統仏壇を拝見し、とても現代的でモダンな仏壇だなと思いました。
しかしそれがその地域のあたりまえの伝統です。それはすなわち今まで私が見てきた仏壇もまた同様なのです。

実はこの「厨子」というカテゴライズ、未だ私にはしっくりこないまま現在に至っています。
それが「仏壇としての厨子」というわけです。
(続く)

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