「漆の強さ」から話を広げ ①

漆の強度について、時々よく考えます。
漆の強度ってどの程度のものですか?
「実はとても丈夫ですね。」「いやいや扱いがデリケートですよ。」巷で色々と言われています。
紫外線にとても弱いことは以前お話ししました。
今日はとりあえず、そのような漆・それにまつわる材料・素材の「生理的な特徴」は、置いておきます。

作品にどの程度の強度を持たせられるか否か。それは制作者の能力です。

とはいえ強度を比較するといっても、何を作るかによって・どのような材料を選択するかによって・そのアイテムによって・どのような環境で使われるかによって・・・も様々です。
ひとくちに強度を語ると言ってもとても難しいのです。

話はずれますが、「特徴ある技法」で制作することが、作家すなわち作品の「特徴ある個性」として紹介されることがあります。
技法をそのまま作品の個性と認識することは、作品を理解する主条件だと思います。しかし多種類の作品達を並列的かつ表現に変化の乏しい制作手段をとることに、僕は少々疑問を感じています。
例えばそれは、器等と家具等の作品を、同じ仕上げ・工程で制作したりすることです。
それらが等しく同様の強度を持っているものか、少々怪しいと思いますし、それぞれのデザインが本当に生きているのかも疑問です。
(※他工芸ジャンルについては技法に対する知識がほとんどないので、そのように考えている訳ではありません)。

何を作るかを決めた後に、数ある技法の中から選択し、制作の手段を計画・構築し、作品にする。
個性が決まった形式やスタイルに陥ってしまっては、重要なことを見落としてしまうと思います。
個性は作るモノの内容によって変化していくものではないでしょうか。
それが作品を作り続けるためにも大事なことだと思っています。

(続く)

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