技術とは!

先日の芸術村でのワークショップにて21世紀美学芸員の方の講演会がありました。
ピアニストのグレン・グールドを取り上げ、技術について考察した彼の言葉を引用し、現代美術を読み解いていくような内容でした。
グールドのことは恥ずかしながら知りませんでしたが、色々調べてみたところバッハ好き(モーツアルトはあんまり・・・)であるらしいところなど、私の好みに通じるのでホホウと思いました。ドキュメンタリ映画が近々あるみたいですね。
技術という概念が、表現と同じベクトルで、同化するように作用し、作品として成り立っていくことがあるのではないか・・・というお話だったと記憶しています。

ふと母校大学院を受験した時の論文テストの問題を思い出した。それは、「技術と表現の関係を述べよ」といった内容だったと記憶している。その問題の意味するところは、「技術」と「表現」は交じり合うものでは無く、複雑に絡み合って成立していることを認識したうえでの問いだったと今なお理解している。それらが絡み合った結果、作品としてどう成立させていくかが、作家の役割であるという命題である。

しかしグレン・グールドは、そのふたつは、さも同じベクトルに存在し、互いに同調していく関係のものであるという意味の言葉を残しているのだ。

またふと最近考えたことを思い出した。独立し、5-10年ひたすら作品を作り続けている知り合い・友人の作家(工芸)の方々に共通して感じられることなのだが、技術が洗練され垢抜けていき、作品の進化に大きく繋がっていると観て感じることが多いのである。ご本人から突っ込んで話を伺ったのではないけれど、作品にそれがはっきりと表れている。
基本的なデザインや絵柄が変わった訳ではなく、作品のクオリティ(繊細・緻密そして大胆さも含む)総体的な意味で、進化していることを実感するのだ。それは単なる技術の向上と言うのは違うように思える。

講演を聞き終わり、このことも表現と技術が同調していった結果の、作品の進化なのかなと思った訳です。

工芸作家の個展を観る楽しみ方のひとつに、このような作風が変わらずとも洗練されていくような、作品の変化を実感できることも、そうではないかと・・・、同時に思いました。

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4.9.5