漆作品の取り扱いについて ②

漆作品の取り扱いについて、続きです。
前回は漆が紫外線にとても弱いこと、そして湿度の必要性についてお話ししました。
今回は金属箔についてです。
箔を使った作品も、取扱いに多少の注意が必要です。
説明書には、前回の文章の続きで以下の内容を載せています。

■箔製品のお取り扱い
箔はすべて漆で接着しています。そして箔を貼りつけた上に拭き漆を施してありますので、箔の上下に漆をコーティングした状態になっています。使い込むと多少箔が磨耗し、風合いが変ることがありますが、摩擦などの作用で箔が剥離することはありません。しかし粘着テープ等を貼り付けて剥がすような、上下に引っ張り上げる作用には大変弱く、箔が剥がれることがあります。なお漆がその作用で剥がれることはありません。
銀箔等を使用したものは、湿気や水分が付着した状態では、銀成分が硫化し色が黒くなります。例えば水滴の形や指紋形に黒くなることがあります。しかし使い込めば、新たに周囲が黒くなり目立たなくなります。硫化は有害ではありません。銀食器やシルバージュエリーなどにも日常的におこる現象です。酸化ではなく、空気中の硫黄成分が付着し硫化膜を形成することで色が黒くなります(最初は黄色くなり茶色に変化しだんだん濃くなり黒くなります)。

以上です。

取り扱っていく過程で、金箔やプラチナ箔は色の変化は無いですが、銀や錫などは変わるということですね。
それと箔が摩耗することで下の漆面が見えるという要素も絡んできます。
箔を使用するときは、完成した時が最良の状態のつもりですが、その後の色の変化や摩耗していくことも考慮しています。
考慮というよりは想像ですね。もちろん変化を完璧に予測することは難しいですが、色・風合いの変化を長い目で楽しんでもらえればと思っています。

写真は富山湾の海王丸です。帆を広げています。
船尾の鯉のぼりが季節を感じます。

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